外国人技能実習生は解雇できる?条件や注意点について解説します!

技能実習生をクビにすることは可能?

「受け入れた技能実習生の仕事が遅い」、「受け入れた技能実習生が週末遊びに行ってばかりで何度も仕事に遅刻する」

そんな技能実習生がいた場合、職場ではどんどん不満が募っていき、最終的にはその技能実習生を解雇しようとなるかもしれません。
そんな時、技能実習生を解雇することは可能なのでしょうか?

日本人と基準は同じ

まず大前提として、外国人技能実習生も日本人と同じ「労働基準法」が適用されます。そのため、外国人技能実習生でも日本人でも解雇する条件は同じになるということです。
技能実習生を含め、企業に勤めるすべての従業員は労働基準法で保護されています。経営者の気分やちょっとした都合で、従業員を解雇することはできないのです。
さまざまな理由があって解雇した場合でも、解雇された従業員が不服であれば異議申し立てを行うことができます。このように、不当解雇を問題とした裁判は過去にも大きく問題になってきました。

合理的な理由がある場合は可能

もちろん合理的な理由がある場合は解雇することが可能です。
つまり、第三者が見ても「解雇せざるを得ない」とされる理由があれば、外国人技能実習生を解雇することは可能です。
たとえば、企業側が最大限の努力をしているにもかかわらず、業績が悪化しており従業員を減らさなくてはならないというような理由が考えられます。※横領や不正行為といった悪質な行動も解雇の理由になります。

勤務態度の悪さなどは、個人の捉え方もあるので裁判になった時に不利になることもあるでしょう。

まずは技能実習生を指導しましょう

ですが、技能実習制度という名前から分かるように、本制度は、母国では習得できない技能・知識を日本で実習を行い、修得後は母国に持ち帰るという「技能移転」が主目的です。
怠慢や遅刻など、技能実習生の態度がおかしいと思ったら、まずは、技能実習生と面談を行い、企業の考えを伝えましょう。その際に、技能実習生がどう考え行動しているのかを聞き出すことが出来れば、今後の態度改善や良好な関係を築くうえで活かすことが出来ます。

どうしても技能実習生を解雇したいときは?

監理団体に相談する

まずは技能実習生の受け入れの際に利用した監理団体に相談しましょう。監理団体は受け入れ企業と外国人技能実習生の橋渡し的な存在です。技能実習生の相談も受けていますので、何か悩みや困ったことを監理団体に相談している可能性もあります。
何か聞いていることがないか、困ったことがないかどうかを監理団体に確認してみましょう。

新たに受け入れてくれる企業を探す

企業側の事情により、やむを得ず解雇しなければならない場合は少なからず存在します。
その際には、技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)は「新たに受け入れてくれる企業を探す」必要があります。
なぜなら、技能実習生の場合、習得する技能が限定されているため日本人のように簡単に次の就職先を見つけることができません。(技能実習制度の移行対象職種は87職種159作業(2023年7月現在))


技能実習生が従事する業務内容を変更することはできないので、同じ職種で次に受け入れてくれる企業を探しておきましょう。とはいえ、次の職場が見つかったらすぐに解雇できる、という簡単な話ではありません。経営再建を図るための計画書を作成したり、お金を借用したりといった企業努力が必要です。

まとめ

ここまで、技能実習生を解雇することは可能かどうか、解雇以外の対応策について解説してきました。

技能実習生を解雇することは可能ですが、日本人従業員の解雇と同じく最終手段となります。

技能実習生を受け入れる際には、その技能実習生を育成するんだという意識を持つことが重要になってきます。
働きやすい職場は優秀な人材が集まりやすいということはよく言われていますが、それには経営者が従業員を会社に必要なものとして、将来の業績向上の投資として人件費をかけるという姿勢が求められます。

関連記事