看護助手としても雇用可能!病院で働く介護技能実習生

2025年には約37万人、2035年には約79万人の人材不足が懸念される介護分野において、技能実習生や特定技能外国人などの外国人材の受け入れが急速に進んでいます。
介護の技能実習生で、介護施設に限らず、「病院で働く技能実習生」も増えてきました。

今回は看護助手として働く技能実習生についてお伝えします。さらには、近年の医療業界、特に看護助手という職種に焦点を当てて現状を解説します。

介護の技能実習生は病院でも働けるの?

この記事の題名を見た時に、
「職種が介護なのに、医療機関で技能実習生が働けるの?」
と思った方も多いのではないでしょうか。

技能実習「介護」の受入対象施設の中には、「病院」「診療所」も含まれています。
そのため、介護施設ではない病院であっても、技能実習生を受け入れることが可能です。
特に、「看護補助者(看護助手)」として受け入れる技能実習生の需要が高まっています。

看護補助者(看護助手)の仕事は技能実習にピッタリ!

介護技能実習生を「看護補助者(看護助手)」として受け入れられるのは、ただ要件を満たしているからだけではありません。

技能実習を行うにあたって、「必須業務」と呼ばれる、技能実習生に必ず行わせなければいけない業務があります。
その介護技能実習生の「必須業務」と「看護補助者の業務内容」が記載された表を比べて見てみましょう。

そのほとんどが共通しているということが分かるかと思います。

介護技能実習生と看護補助者の仕事はほとんど一緒!

技能実習「介護」の必須業務/看護補助者(看護助手)の業務内容 比較
技能実習「介護」 必須業務看護補助者(看護助手)の業務内容
①身支度の介護・整容(洗面・整髪等)①患者の身の回り・ベッドシーツ交換
・顔の清拭・ベッド周りの清掃などの環境整備
・口腔ケア・着替えの手伝いなど
・着脱の介助
②移動の介護・体位交換
・起居の介助(起き上がり・立位)
・歩行の介助 
・車いす等への移乗介助
・車いす等の移動の介助
③食事の介助・食事の介助②食事介助・食事の介助
・患者の食事の配膳や下膳
④入浴・清潔保持の介助・トイレ・ポータブルでの排泄介助③入浴・清潔保持の介助・入浴介助、排泄介助
・おむつ交換・おむつ交換、検査の付き添いなど
・便器・尿器を用いた介助
⑤利用者特性に応じた対応(認知症・障害等)※技能実習3号のみ実施・利用者特性に応じた対応④看護師のサポート・診察時の手伝いや看護業務の記録
・看護師からのメッセージや検査結果を  別の診療科や外来の医師に報告する  メッセンジャーのような役割
・病院内の掃除や医療器具の消毒、備品管理
・患者の家族への連絡などの業務

※「必須業務」とは:
実習期間中、技能実習生が必ず行わなければならない業務です。
準備から記録、報告までの一連の行為を含んでおり、技能実習計画において業務時間全体の2分の1以上であることが求められます。

看護補助者を取り巻く現状

減少する看護補助者

高齢少子社会における日本において、労働力人口の減少が進む中、看護補助者数も2014年以降減少傾向にあり、2020年以降は約19万人となっています。

看護補助者を確保するのは困難に

特に200床以上の病院では、約6割の病院が「看護補助者の必要量を満たすだけ配置できていない」 状況にあります。
その理由としては、「募集しても集まらない」が9割を占めています。

【出典】日本看護協会「看護補助者を取り巻く現状」

就業者の状況

・看護補助者の就業者は、50歳代が最も多く、次いで40歳代と幅広い年齢層が就業しています。
・看護補助者となる前に勤務経験がある者が73%であり、現状は一定の社会人経験を経て、看護 補助者として就業する人が多くなっています。

【出典】日本看護協会「看護補助者を取り巻く現状」

技能実習制度導入が解決策に

技能実習生として入ってくる人は、主に20〜30代の若者であり、職場に活力をもたらしてくれます。
「看護補助者が足りていない」
「若者と一緒に働いて、職場の活力を高めたい」
というお悩み、
 
「技能実習生」が解決してくれるかもしれません。

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